All need is LOVE!

アイドルを斜めから観察してます。

エリザベート千穐楽によせて・トート閣下

一つ前の花總さんへの感想が熱の入り過ぎたポエムみたいになっていて、自分でもドン引きしています。

 

とりあえず数日たって落ち着いたところでトート閣下のお二人の感想を。

 

■城田トート

しょっぱなの登場シーンで「あ、セフィロス様」って思った。それくらいのスクエニ感。
美しい獣のようなトートだった。基本ベースが真顔で、時々笑顔を浮かべるけれどそれも本当に笑顔というより「人間ってこういうとき笑うんでしょ?真似してみたよ」感がある。あーこのトートなら血は青いだろうな・・・と思える。しかもきっとコバルトブルーみたいな深い青。
最後のダンスでの登場シーンで階段に座って長い足を投げ出し、そのままひざの上で手を組んでシシィを見つめている姿が、草むらで獲物を狙っている肉食獣みたいだった。あと、ルドルフとの闇広ね!体が大きい分、本当に襲い掛かってる感というか・・・。
子ルドの「猫を殺した」を聞いても『へー』くらいの感じで表情ひとつ動かさなかったのもポイント。カフェのシーンでも民衆への登場前に首をコキコキ動かしてて『久しぶりの人型なれないなー』みたいな。
だから、ソフィ(娘)の死の「二人で踊った婚礼の夜を~」のところ、あぁトートは人間とは別の尺度で見ているから通じ合わないわ・・・って感じがした。
城田トートといえば、ドクトル・ゼーブルガーね!凄くおじいちゃんだったwそれだけに、そこからの展開が凄く鮮やか。
歌はポップス寄りというかロック寄りな歌い方で凄く好きだった。(日本にはもっとロック歌唱のミュー俳優が増えても良いと思ってる・・・)体は大きくて迫力あるのに仕草はゆったりしている感じ。
ルドルフとのキスは右手で頭から顔を撫で下ろして、その手を自分の口元に持っていく感じ。生気をいただいてます感。
 
本人は満足のいく演技ができなかったと仰っていましたが、それでは本人の思い描くトートはどれほど素晴らしいのだろうと。いつかきっと舞台の上で見せてくれるはずと信じています。だから再演にも出てね‼
 
 
■井上トート
同じ妖でも城田トートが獣ならこっちは人型。そしてとてもエロい。
仕草とか表情とか、指先まで行き届いて演技しているのが分かる。とくに戴冠式のムチ打った後、それを手にくるくる巻いてるのがなんか凄く良かった。マント裁きも上手いというか、振り返るときとかにちゃんとフワッと広げていく。
歌声もね、これまで何度も芳雄さんの舞台を見てきたけど、始めて聞く声音がたくさんあった気がする。低音とかこんなだった!?っていう。
人型な分、とても感情豊かで、笑顔もうれしそうなもの、皮肉っぽいもの、エロいものと色々使い分けてる感じ。なのでシシィに拒絶されてしょんぼりしてたり悔しがったり。じつはよりストーカーちっくに見えましたwこっちのトートは青というより紫の血っぽい。ディープ・ローヤル・ブルーみたいな。
最後のダンスとかは芳雄さんのほうが怖かったもんなー。乱暴に振り回している感が凄くて。「二人で踊った婚礼の夜を~」のところも、井上トートはちょっとこの人何言っちゃってんの?ってストーカー・サイコパス感が強くて怖かった。それが癖になる良さだと思ってる。
ルドルフとのキスシーンはめっちゃ濃かったwww特に8/23。時間が長いのはもともとだったけど、さらに右手を腰に回して左手で顔から首筋を撫で下ろしてて、その状態でおでこと鼻をくっつけてなんか堪能している感じ。席がルドの表情みれないところだったので悔しい・・・。
 

本人の思い入れがなにより強そうな役ですが、細部まで考え込み作りこまれた、こちらの期待を上回るトートでした。もっともっと深化させたトートが見たいです!