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アイドルを斜めから観察してます。

今、長い夜の終わりが近づく

1996年の5月、私は小学校6年生だった。火曜日は必ず「昨日のロンバケとスマスマ見た?」とクラスで話題にするのが当たり前になりつつあった。

「知ってる?森君、SMAP辞めちゃうんだって。ニュースでやってた。」

その話を聞いたのはたしか学校についてからだったと思う。ネットなんて一部の大人しか使えなかった時代に、その噂は休み時間や給食の時間でジワジワと広がっていった。帰りの掃除の時間、机といすを運んでいる時だった。1人のクラスメイトが泣き始めた。ジャニーズが好きな子で、当時剛さん(というか金田一はじめ)とJr.の高橋直気*1が好きだった私は良くジャニーズの話をしていた。その子は森君の下敷きを抱きしめてた。進学祝いにお母さんに買ってもらったと自慢していたやつだった。

 

もう思い出せないけれど、私はあの時、あの子になんて声をかけたのだろう。

 

 

2015/12/26のサムガ。

中居さんは地元の友達と一緒に食事に行って初めて酔っぱらったと言った。前日にバタバタしてて一睡もできなかったから。俺にだって寝れない時があるって。友達に「子供だろ、子供出来たんだろ」ってからかわれたって。その後、先輩に「よくわかんないけど中居、がんばれよ」って言われてなんかすごく嬉しかったって。最後に「ファンのことは大事だけども、ちょっと遠目で見てください」

それを聞いて、私は年末のSMAPは忙しいもんなぁと思ってた。中居さんは番組の企画段階から携わるから、何か新しい番組でも始まるのかなって。私は2TOPの還暦祝いを東京ドームで見るのが夢なんで、健康に気を付けて欲しいなーなんて思ってた。

 

2015年、大晦日。

中居正広木村拓哉がスマショに来たという情報が流れた。中居さんが行くわけないと思ったけど、それが本当だとわかってファンは大いに混乱した。ネタとして「赤坂消滅するんじゃ」「今年でスマショが最後になるのか」「年越しできない。2016年来ないぞ」「世界が終わる」なんてみんなで騒いだ。*2

紅白が終わって、カウコンが終わって、CDTVが始まった。そこでポプスマのダンスタイムを再現して、STAYを歌って、観覧全員にサインボール配って。超かっこよかった。STAY歌ってくれて、2TOPのダンスも見れて、今年のSMAPはなんか凄いぞと。25周年に向けてなんか凄い事が起きそうだってワクワクして眠りについた。スマコンとKinKiコン日程被らないといいなぁなんて思いながら。

 

2016/1/2のサムガ。

この日は中居さんが後輩の曲をかけまくった。KinKiもかけてくれた。でも曲と曲の間、後輩とのエピソードの間にしきりに「中居が勝手にやってます」と繰り返した。「怒るなら僕のところに来てください」と笑いながら言った。

SMAPファンだけじゃなくて後輩ファンも含めて結構みんなザワついた。中居さんが何かやろうとしている。ついに派閥を壊しに来たのかもしれない。何をしようとしているか正確にはわからないけれど、何かしようとしているのはわかった。

 

2016/1/9のサムガ。

森君が辞めて20年。その時の思い出を話していた。私はそれよりもすべらない話に出た裏話が楽しくて、あの芸人さんに囲まれた場所を「ホームなのかアウェーなのかわからない」と笑って言えるのが誇らしかった。

 

 

2016/1/13。

朝、TVを付けたら「SMAP解散か」のニュースをやっていた。あー久しぶりにこのネタ来たなーと思った。本人たちが解散ドラマ作っちゃうくらいなんだから、今更のネタだよなぁとも思っていた。天気予報まで見てTVを消した。通勤中に見たTwitterではファンがネタに走ってて、だよねーって笑っていた。

ランチ時に見たTwitterは一気に世界が変わっていた。NHKが報じた、事務所がFAXを出した。理解が出来なかった。Yahoo!を見て、またTwitterを見て、なるほどと呟いた。なるほど、なるほど今回はいつもと違う。頭をグルグルと色んな考えが廻った。最近のサムガ、年末のスマショ来店。あまりにもあまりにもだったFNS。本人の言葉を待つ。ファンがお互いを勇気づけるようにそう書き込んでいた。そう、まずは待とう。こんなことで動揺してたまるか。意地のように頼んだパスタを完食した。仕事中、トイレへ行くたびに自分に言い聞かせた。この瞬間もきっとメンバーはそれぞれの現場でそれぞれの仕事を全うしている。1ファンでしかない私が仕事に手を抜いてる場合じゃない。

帰るころにはもっと騒ぎは大きくなっていた。ネットを見たって面白おかしく書かれた記事しかないってわかっていても見るのを止められなかった。母からは「ビックリしたね」というラインが来た。「とりあえず明日の朝、つよぽんがTVに出るから」とだけ返した。妹からは「大丈夫?生きてる?」と来た。「死にそう」と正直に返した。

寝る前に、5人はちゃんと寝れているかなと心配した。みんな、ちゃんとご飯食べてちゃんと寝て、ちゃんと誰かに弱音を打ち明けられていれば良いと思った。*3

 

2016/1/14。

つよぽんの生放送を見届けなければと思って、早起きして見ていた。困った質問とかされなければいいと祈った。眠気をこらえながら待って、つよぽんが笑顔で出てきてくれて思わず涙ぐんだ。結果として、つよぽんはいつも通りの笑顔と天使っぷりで自分のドラマの番宣を全うしてた。それが嬉しくもありショックでもあった。森君の時も拓哉さんの時も吾郎ちゃんの時もつよぽんの時も、SMAPはいつだって自分の立場とカメラの前から逃げなかった。いつだってきちんと自分たちの言葉で伝えてくれた。だからどこか、この朝の時点で何かファンを安心させてくれるんじゃないかと勝手に思っていたのだ。そのことに気づいて、自分の身勝手さが嫌になった。

ランチの時には世界にひとつだけの花の購買運動が始まっていた。私たちがどれだけSMAPを愛しているか、必要としているか。SMAPを待っている人たちがどれだけいるのか。ファンだけじゃない。本当に幅広い、多くの人が参加してくれていて、そのこと自体がSMAPがこれまで歩いてきた道が正しかったことの証明だと思ってまた涙ぐんだ。

帰り道はSMAPを聞いていた。STAYやベスフレは泣いてしまうことがわかっていたから、あえて避けていたけど、結局耐えきれずに2駅手前で降りて泣きながら家まで歩いた。ずっとずっと泣いてたまるかと思って、涙ぐむ程度で耐えていたけどダメだった。私の涙腺を崩壊させたのは「Dawn」

http://j-lyric.net/artist/a002907/l00476c.html

もし君が欲望に荒れ狂う濁流に飲み込まれても

ひとつだけ 真実はひとつだけ 輝きに導かれるまま

 

きらめきに僕らはそう 優しく包まれて

絶望も暗闇も超えていく

その先に何かがそう僕らを待っていて

溢れる思いを 限りない愛を 

 

きらめきに僕らはそう 優しく包まれて

遥かなる未来へと飛んでゆく

その先に何かがそう僕らを待っていて

今 長い長い夜の終わりが近づく

 嗚咽をこぼすほど泣いたのは、27時間テレビ以来だった。

夜は寝るのが怖くなった。朝起きて、また世界が何か変わっていたらどうしようと怖くなった。最悪のことを考えて、SMAPのいない世界を想像しようとして出来なくて絶望で指先が震えてきて、慌てて冷蔵庫からチューハイ取り出してほぼ一気に飲んで無理やり寝た。

 

2016/1/15。

やっぱり木村拓哉は世界で一番男前だ。

私がずっとずっと欲しかった言葉をくれた。本当にこの3日間、暗い夜に迷い込んだみたいだった。そこに光が差した。

冷静になってみれば、最初の言葉は拓哉さんが言うってわかったかもしれない。SMAPは個々の役割をはっきりと持っていてだからこそ最強のチームでいられる。SMAPの先頭に立ち、切り込んで道を作るのは木村拓哉で、SMAPの一番後ろを守り、すべてをまとめ上げ納めるのが中居正広。ずっとSMAPはそうやって最高で最強なのだ。今回だって。

 

待っていてくれというなら待つよ。ただ大人しく待つのではなく、やれることをすべてやりながら待つ。長期戦になる覚悟はできた。腹はくくった。

でも私は弱いから、またマスコミの言うことに傷ついて腹を立てて不安になって泣くかもしれない。でもそんな自分を責めるのも止めようと思う。それだけSMAPが好きなんだもの。傷ついて腹を立てて不安になって泣いて、そうやってまたSMAPへの愛を強めて皆で確かめて、それでも前に進んでいこう。

 

たったの50年までようやく半分。

 

*1:黄金期Jr.の1人

*2:こんなこと言わなければ良かったってこの3日間死ぬほど後悔した

*3:きっとこれまでは飯島さんが聞いてくれていたんだろうけど…