All need is LOVE!

アイドルを斜めから観察してます。

「今日は2016年1月18日です」とあなたが言ったから

どうしてその一言が必要だったんだろうと考えてみる。(タイムリープ説以外で)

そして「おじいちゃんおばあちゃん、あっちに進んじゃ駄目よ。崖から落ちちゃうわよ。」と皆が思う方向へなぜあの事務所はあえて全速力で突っ込んでいくのか。ということをちょっと真面目に考察してみる。

ちなみに今日はちゃんと素面です。

 

これは一般論として、往々にして過去の成功体験から抜け出せない人・企業というのはある。そして歳を取れば取るほど、昔のやり方・ずっとやってきた自分のやり方に固執してしまう。もちろん、お年を召してもとても柔軟な考え方をされる方もいるが本当に本当にまれだ。

 

1.アイドルという概念とその影響範囲の認識差

さささんの記事でもある通り、そして周知の通りSMAPはアイドルの歴史を変えた。

西暦2014年、スマ暦24年 - over and over

それはバラエティや役者業への進出だったり、色々なことがあるけれど、概念的なところで言えば「アイドルをファンだけのものではなくした」のではないだろうか。

私は光ゲンジの全盛期の頃はまだ幼稚園だったりしたので余りはっきりとしたことは言えないけれど、どうもSMAP以前のアイドルは熱狂的な一部のファン(それも10代~20代前半の女性のみ)だけが応援し、支えていたような印象がある。けれど、今回の騒動でわかったようにSMAPはもうファンだけのものではない。そして事務所だけのものでもないのだ。世界ニュースになり、一国の首相が気に掛ける存在なのだ。
たぶん、この辺りがSMAPファン・ジャニーズファンも含む世間一般と事務所内部(特に中枢部)の大きな認識の差であり、皆がだめだと思っている方向に突っ走ってしまう原因でもあるんじゃないだろうか。

 

昔のジャニーズはファン自身がファンクラブの運営をしていた*1くらい、ファンと事務所の距離が近かった。何かトラブルがあっても、世間一般へは薄い説明と、それからいくら数が多いといえどもある程度限定的な『ファン』だけ抑えてられるような対応をすればよかったのかもしれない。
今回の騒動でこれまでCDも買ってない、ファンクラブにも入ってない、コンサートに行ったこともファンレターを出したことも無いような人たちが声を上げていること自体、もしかしたら事務所にとっては理解が出来ないのかも知れない。

 

2.現代社会、とくに労働環境の変化に追いついていない

昔は一般社会でも育ててもらった会社を退職し、同業他社へ転職するなど許される世論ではなかったのではないだろうか。その時代は「お金をかけて育てた事務所から独立したら、圧力かけられても当然」という理論が通じたのかもしれない。現に、今回のことでも年配の方で「会社を辞めるのだからそのくらいは仕方ない」といった意見を言う人も見かけた。

だが、現在は 「終身雇用」なんてものはツチノコレベルの幻となっている。 30代以下のいわゆる若年層と言われる世代の転職率は約47%。 30代前半に限れば6割が転職経験をしている。*2 むしろ転職することを前提に自分のキャリアプランを作ることが当然なのだ。

さらに、ここ数年で加速度的に「労働者側の権利」の意識も変わった。ブラック企業という言葉が当たり前に使われるようになり、『仕事なんだから』を理由に【雇用者】が【労働者】に無理を強いることは許されなくなった。

企業が従業員を育て守り、その代わり従業員が企業に利益をもたらす。それは企業と労働者の義務だ。だが、企業が解雇できる代わりに労働者は自分の希望にそって自由に働く環境を選べ、不当な解雇に対しては戦うことが出来る。それは企業と労働者の権利としてやはり当たり前に認められている。

一部の業界だけかもしれないが、一度退職した会社に再就職するのだって今は珍しくない。*3ましてやSMAPは完全に退職したわけではなく【退職しようか相談した】レベルだ。私自身の転職体験を軽く書いたこともあるが、*4辞めようか迷っていることを上司や人事と相談することなんて当然の権利。相談の結果、会社に残ることを決めることは何も悪いことではないし、それこそ世間では日常茶飯事に行われていること。
【辞めるのを止める】ことを許さない なんてことは許されない。それが2016年現在の世界なのだ。

 

そういった、世間の在り方そのものが変わっていることを事務所の中枢部は理解していないのではないか。*5

だから当然のように「育てたのに辞めようとしたからペナルティが必要」とか「一度でも辞めたいと思ったから謝罪するべき」とかそういう事を悪びれることなく発表してしまう。

 

3.ネットへの鎖国政策の反動

ファンのみならず、日本中が知っている事実ですがジャニーズ事務所はネットに対して『鎖国政策』と言われるほど厳しめの対応を行ってきました。その理由は鎖国することで既存コンテンツ(CDとか雑誌とか)の売上を守ろうとしたとか色々あると思いますが、私は単によくわからないからというのも絶対含まれていただろうと思っています。 *6

ここから先はちょっと書くべきか迷ったんで…。飛ばしても大丈夫なはずです。

 

実は前職で一度だけジャニーズ事務所と仕事をしたことがあります。いわゆる音楽配信関係の仕事でした。もう数年前ですがその時に会ったジャニーズ側の社員さんは皆さん「おじいちゃん」と呼ばれる感じでした。おじさんですらない。アプリという概念が通じず、スマホは電源が入れられず、メールに添付した音楽ファイルは開けない。そういう方たちが対ネット配信分野の事務を取り仕切っているんです。メリーさん一人が時代錯誤なのではなく、事務所の体質・企業風土そのものが大昔で止まってしまっているんだと思う。

 

現在は一度メディアを通じて発した言葉は、それがどんな意図のものであれ、あっという間に拡散し、そしてネットの海に出された情報は消えない。これはもう社会人であれば常識だとは思います。

けれど、鎖国を続けたジャニーズにとっては常識では無かったのかもしれません。 きっとメリーさんにとって「飯島を呼んで」も「嫌ならSMAPをつれて出て行け」もその時つい言ってしまっただけの事で、本心ではなかったのかもしれない。まさかTwitterでファンに大喜利ネタにされ、さらに1年以上たっても当たり前にその記事を皆(ファン以外も含め)がネットで全文読んでいるなんてことも想定していなかったのだろう。 今回の新潮だってそう。 『つい』『その場のノリ』でどれだけの人(芸能人・一般人含め)が炎上して謝罪に追い込まれ企業価値を揺るがしてきたか、理解していないのだ。

(余談として、私の母方の祖母がメリーさんと同じ歳だが、「Twitter炎上」と言ったところで当然通じない。)

 

 

 

昨日の記事は酔っ払いがただただ感情に任せて苛立ちをぶつけただけのものでしたが、そこで書いた「今までの自分達の常識が世間には受け入れられないって気付いて」という思い。

結局、今回の騒動の帰結はそこになるんじゃないだろうか。

 

今は70年代でも80年代でもない。その頃の社会通念も手法も通じない。

今はもう『2016年』なんだよ。どうかその事をメリーさんはじめ、事務所中枢部に理解してほしい。

*1:94年のKinKiの密着映像でファミクラでファンレターの返事書いてる映像があるが、そこでファンが手伝っているのが言及されてたはず

*2:http://www.garbagenews.net/archives/1571850.html

*3:少なくとも私が働く業界はよくある話

*4:100年分の情熱ほど - All need is LOVE!

*5:逆に世の中のトレンドに敏感な末端は良く分かっている…はず 

*6:メリーさんはどうか知らないが、一般的な90歳前後の人はネットとは?状態だと思う