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1789-バスティーユの恋人たち- 4/21 マチネ①

帝劇版1789見てきました。この日は加藤・神田・花總のキャスト。

フランスミュージカル(スペクタキュル)は、 小池先生がわざわざパンフレットで言及されている通り、ブロードウェイやロンドンのミュージカルとはちょっと違う。 ぶっちゃけストーリーは細かいところで突っ込みどころがあるし「お前、急にどうした!?」っていうキャラもいるけど、そういうのを吹き飛ばす曲と演者の技量と熱が凄い。それに小池先生お得意の美しい舞台演出が重なって中毒性のある舞台になってる。はまらない人には全くはまらないと思うけど、はまる人はとことんはまる、そんな舞台。

これ以降、ストーリーに沿って感想書いていきますので、ネタバレします。また細かい説明は省くので舞台を見ていない人にはわかりにくいかも…。

 

まず舞台には紗幕が掛かっており、1789のロゴが投影されてる。ロゴバックの雲が少しずつ動いていて『時代が動く』ことの暗示をしているよう。

開演すると、舞台の上には貧しい農民達。紗幕の向こう側でオレンジ色の光に照らされて、質素な服を着て腰を曲げたりしている姿がミレーの絵画*1みたいに見えた。
そこに客席から登場する軍服を着た軍人達。今回の舞台、本当に客席降りが多い!去年のエリザでも何回かあったけど、小池先生の中で流行なの?今回はオケ無しなので、ピットの上にまで舞台が出来てる。その下(本来ならピット)のところから人が何度も出たり入ったり。客席降りって正直、2階席からだとイマイチ良く見えずに終わったりするから、あんまり多用しないで欲しいんだけど…。
 
ここで岡さんが登場するけど、完全にジャベール。綺麗な格好したジャベール。しゃべり方もやってる内容もはいはいジャベールですねって感じ。そういやレミゼも一応同じ時代だっけ?あっちは革命後の王政復古のときなんだっけ?
この後、登場する加藤ロナンとソニンソレーヌ。加藤くん、なんか声というかしゃべり方や動きがめっちゃジャンプの主人公っぽいよね。だからこの役はピッタリ。
そして観劇のお目当てその①だったソニンちゃん!軍人達におびえてロナンをとめようとするしぐさが可愛い。父親が殺されてしまった後のソロは悲しさと切なさと怒りが入り混じっていてさすが!ロナンを追ってロンドンへ行くと決意したときの表情が強くてカッコいい。最初の怯えていた時とは全然表情が違う。
 
ロンドンでも飢えている民衆たち。そこにやってくる革命家の渡邊デムーランと古川ロベスピエール
もう古川ロベスピエールの二次元感すさまじいwあれ本当に生身の人間ですか?良くできたお人形じゃなくて? 周りから浮いてる異次元感が、物語の後に1人だけ別の次元へ行ってしまうのを感じさせる。金髪ロン毛ハーフアップ黒リボンとロングコート衣装が似合いすぎです美の暴力ですありがとうございます。相変わらずとても綺麗なダンスを踊るのでそのたびにロングコートが翻って美しい。渡邊くんは初めて見たけれど、声質がとてもミュージカル向きな感じですね!
この後のシーンで出てくる上原ダントンとも合わせて、 穏やかな渡辺デムーランと豪快な上原ダントン、冷静な古川ロベスピエールな3人組って感じ 。 本家だと結構おじ様率が高いのに、帝劇版では安定の長身イケメンでそろえてきた。さすがイケコ。
 
うって変わって宮廷のシーン。ラマール坂健さんがとても坂健さんである。まさかの恰好で笑うより何より言葉を失う感じ。歌って笑い取って八面六臂の活躍ぶり。そして アルトワ伯 吉野さんもとても吉野さん。いつもの吉野さん。 *2 色とりどりの扮装している宮廷の人たちの中で全身黒orシルバーが浮いてて良い感じ。
 
そしてそして 最大の目的だった花總マリー・アントワネット様。お花様がお花様(物理)だった!!!!*3客席がちょっとどよめいたよ…。すっごく無邪気でニコニコで超超超可愛い!!!!可愛いは正義!!!!ネッケルが話してる時とか「この人何言ってるのかわかんないけど、とりあえず笑っておけ」感があるw可愛い!
しかしまぁ、難易度の高い歌を軽々歌っている…ぶっちゃけ最初にこのキャスティング聞いたときに歌だけが心配だったの。こういうポップス寄りの曲って苦手だろうし。動画でフランス版ちょろっと見たら高低差凄いし。でもぜんぜん大丈夫だった。杞憂だった。舞台では軽々歌っているけど、その裏でどれだけ努力したんだろう…。ううう今年のお花様でのエリザも見たい…見たいよう…チケット戦争全滅だよ…チケ業者滅せよ…。
 
さーやオランプも可愛い。そして若緑色のドレス着てるし声はあれだしでめっちゃアナ実写版感。さーや、可愛いし歌も演技も上手いんだけど、どうにもアニメ声なんだよね…。声を作って話してる感じが強いのでなんかちょっと不自然さが…。うーん、本職声優(平野綾ちゃんとか菊池美香さんとか)は逆にあんまり感じないんだけどなぁ…。でもコメディ部分とかめっちゃキュートでした。
子役ちゃんの「ぼんにゅい、ぱぱ。ぼんにゅい、まま。」がかわゆい。席が下手だったのでこの時のマリー様の表情をセットの鏡越しに見るという。すっごく嬉しそうな顔してた。可愛い。もう舞台上で可愛いの洪水が起きてる。
 
この後、また市民側に戻って、ここで上原ダントン登場。濃ゆい強い。 漂うアンジョラス感。はいはいアンジョラス。何度目だナウシカならぬ何度目だ革命家。大きな違いはこっちは女好きなところかな。ソニンとの並びがお似合いなのはもちろん、シャルロットとのコンビも可愛い。豪快な感じのおじ様と気の強い幼女の組み合わせって萌えるよね…良くわかってらっしゃるさすがイケコ(2回目) 革命家が歌うユニゾンパートは上原くんの声が7割、他2人で3割くらいの声量だった…これはしょうがないか。あと意外に踊れるんだね!?!?
娼婦になってしまったソレーヌのナンバー(夜のプリンセス)がセクシーで切なくてカッコいい。ここで口紅を真っ赤に変えて登場したソニンちゃんが超セクシー。
 
フェルゼンとの密会で全く忍ぶつもりのない恰好でやってくるマリー様。あれでも地味な方なのかしら…。ここでのマリー様が恋する乙女全開で超可愛い。ちょっとめんどくさいけどwただやっぱり席の関係で背中しか見られない部分が多かったのが悔やまれる…。フェルゼン(貴族・武器はレイピア)VSロナン(浮浪者・武器は木の棒)という謎の戦い。なんで逃げずに戦うんだという突っ込みは入れちゃダメ。この後のシーンはさーやのコメディエンヌぶりと坂健さんのコメディアンぶりが凄く良かった!
 
バスティーユでの拷問シーン。長いムチ持たせてロナンに巻きつかせたり上着をはだけさせて焼き鏝押したり、これもうイケメンが舞台の真ん中で悶え苦しむ姿を(イケコが)見たかっただけとしかwwwいやありがたく拝見させて頂きましたけど!むしろオペラグラスかまえましたけど!!
しかし助けてくれたお礼として女の子にとりあえずチューするあたり、さすがフランスって感じ。
 
三部会シーンでのお人形振り付け。引きで見て良く分かる花總さんと古川くんのリアルフィギュアっぷり。頭身バランスが普通じゃない。もうこの辺りのシーンは、もし某映画みたいに応援上映会とかあったら絶対観客席から「ネッケル頑張れー!」って声が飛んでる。ネッケルまじ頑張れ。
 
このあと、同じ第三身分と言ってもその中でも金持ちと貧乏人の分かり合えなさが表面化してしまう。なんとかロナンを説得したいデムーランと「こいつらいきなり何なの?」みたいなダントンがキャラクターの差で面白い。
 
王太子の葬儀シーン。脳内で勝手に「ルドルフ、どこなの、聞こえてるの」って流れちゃう。*4トート閣下の変わりにフェルゼンが柱の影からそっと見守ってる。嘆きの花總さんはやはり良い。この出来事をきっかけにフワフワ恋に浮かれてたマリーちゃんが王妃に目覚めるんだけど、そこからはもうお花様本領発揮というか。
ロナンとオランプのシーン。敵同士だけど恋に落ちるってフランス人好きだよね(ロミジュリとか)。ロナンが好きでもアントワネットに仕えることを辞められないオランプ。わかるわかる、あのマリー様にひれ伏して一生お仕えしたいもん。
 
1幕ラスト。ここで天井のようなセットが活きてくる。上段にいる宮殿側の人間とそこに向かって懸命にこぶしを上げる市民側。届かない手と響かない声。喪服を着て出てくる花總様が気高すぎて…。ここでフェルゼンの手紙を読むマリーの演技がとても繊細でグッとくる。
 
埋まらない『上』と『下』の差をはっきり見せて終わる感じが良かった。色んな所に巻かれた火種が2幕で一気に燃えるんだろうなーって感じ。
 
 しかし相変わらずアンサンブルまで含めてイケメン揃いのイケコレクション…。舞台の絵作りも含めて小池先生の美意識に溢れてて「美!美!そしてさらに美!!」って感じで気持ちいいw
長くなったのでいったん分けます。

*1:落穂拾いとか

*2:歌のアレさも含めて

*3:見た人にはわかる

*4:他の人の感想見たら、だいたい皆同じこといってたw